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さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう [ヤーコンを栽培しよう!]

 “ヤーコンおやじのブログ”へようこそ
 (2016年2月9日改定、以降毎年微修正、最終修正2019年3月24日)
 このブログのファーストページにつき、栽培開始時期の5月まではトップに出るよう、投稿日付を最新のものに頻繁に更新します。

 さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう
 ヤーコンにぞっこん惚れ込んでいる小生です。DSCN0233.JPG
 そんなことから、ヤーコン専門のブログを立ててしまいました。うちでの栽培は約100平方メートル。(ただし、2019年からは約70平方メートルに縮小)
 晩秋には人の背丈ほどに生長します。
 収穫した芋は家族では食べ切れませんから、多くを当店(薬屋)のお客様に差し上げています。
 ヤーコン芋は、オリゴ糖がたっぷりで整腸作用が抜群ですし、葉っぱは高血糖改善に高い効果がある、すぐれものの健康野菜です。

(写真は2013年11月24日にうちの畑で土をのけて撮影)
(品種は「アンデスの雪」で芋の表皮は薄茶色)

 農地がある方、農地を借りられる方には、ぜひ栽培してほしいです。
 ヤーコンの苗づくりは3月下旬から。温暖地ではゴールデンウイーク以降に、遅くとも5月末には畑に定植します。収穫は霜が降りる頃から。
 今年初めてヤーコンの栽培に挑戦なさる方や、毎年イマイチのヤーコン芋しか採れないと不満をお持ちの方など、このブログを参考にして、より美味しいヤーコン芋をよりたくさん収穫なさってください。

 ヤーコンを栽培するに当って、まず考えねばならないのは「品種選び」です。
 次の事項を参考になさってください。          

<ずっと前から栽培している方>
 芋の表面がゴツゴツしていて、ひび割れができるものが多いのではないでしょうか。これは、在来種(ペルーA群)です。
 在来種もいろいろあるようですが、肉質や糖度はたいてい次のようです。
   肉質は淡オレンジ色
   収穫後にオリゴ糖がだんだん分解してきて、甘味が増す
 ゴツゴツ感やひび割れが気にならず、この甘味がいいと思われる方は、これの栽培をお続けください。不満がある方は、下記の新品種に挑戦なさってください。

<最近栽培を始められた方>
 品種を知って買われた方は、ご自分の栽培品種をご存知ですが、ホームセンターなどで苗を買われた方は品種名をご存じない方が多いです。
 値段が高い苗(300円前後)は新品種名の札が付いており、安い苗(100円強)で品種名の札が付いてないものは、在来種(ペルーA群)のことが多そうです。
 あなたが栽培されている品種は何でしょうか。知っておかれると良いです。
 在来種は先に説明しましたが、新品種であれば次のような特徴があります。

[ 2006年頃から苗が出回った新品種3種類 ]
アンデスの雪 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
       肉質は白色で、甘味が少なく淡白な味
       保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
       保存性は「アンデスの乙女」より良い

サラダオトメ 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
       肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
       保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない

サラダオカメ 表面がゴツゴツしていて外観が悪い
       肉質はオレンジ色で、最初から甘味がけっこうある
       でも、オリゴ糖の含有量は他の新品種と同程度ある

[ 2013年に初めて育苗業者から発売された最新品種 ]
アンデスの乙女 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
        肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
        (「アンデスの雪」より若干甘味がある)
        芋の表皮の色は、他の新品種とは違って赤紫色
        (ただし、数日すると酸化して黒っぽくなります。)
        保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
        保存性は「アンデスの雪」より悪い
        (水分が抜けて、中身がレンコン様の巣が入るようになる)

(2015年11月22日に収穫後水洗いした姿)
 (上:アンデスの雪。下:アンデスの乙女)
DSCN0441.JPG
(2015年は豊作で、手にしているのはアンデスの乙女。一番大きそうな10個を計量したら1個平均700gありました。)
DSCN0442.JPG

 上記及び次の段落を参考にして幾品種か栽培され、味の好みを考慮に入れながら、地域や土壌に合ったものを見つけ出してください。
 ちなみに、小生が栽培しているのは「アンデスの雪」と「アンデスの乙女」です。
 全国的にまだまだ在来種が多いようですが、「アンデスの雪」が主流を占めつつあるようで、2番目がサラダオトメのようです。「アンデスの乙女」は未知数。

 ヤーコン栽培の適地は、夏に涼しい所
 アンデス高地の原産で、平地で栽培されるようになって日が浅く、品種改良もまだ違う気候への適応までは行っていません。
 よって、中山間地、東北、北海道が栽培適地となります。
 当地岐阜(濃尾平野の奥:海抜10m)は、真夏の猛暑にさらされ、連日35度を超す猛暑日が何日も続くことがあり、気候の上では最も条件が悪い所です。
 それでも、ヤーコンが猛暑でダメージを受けないよう、あれこれ工夫し、近年、最適地の少なくとも5割の収量を上げられる(100㎡で300kg)ことが多いです。
 ところで、ヤーコンは品種改良されたとはいえ、まだまだ原種のたくましさを持っており、生育環境を自ら学習し、2、3年経てばはっきりと環境適応してくれます。

 小生の工夫より、こちらの方が大きいと思われ、新規に栽培に取り組まれた方で初年度の収量が少なくてもあきらめず、2年3年と栽培を繰り返されれば、自ずと収量が上がってきますので、ご期待ください。ただし、初栽培は、初年度に大収穫ということもありますし、天候にも大きく左右されるのは、野菜全般に言えることです。

 参考までに、小生がこれまでに栽培した品種について記しておきます。
 本格的に栽培を始めたのが2000年で在来種の「ペルーA群」です。密植したがために、夏の終わりにアブラムシが大発生して収量が落ちたり、秋に畝の湿り気が多すぎて種芋部が大きくなり食用部の成育が落ちたりしました。
 2005年には、懇意にしていただいているヤーコン博士:渡辺最昭さんから新品種「アンデスの雪」の種芋を分けていただき、試験栽培しました。この年は、けっこうな猛暑になったにもかかわらず、予想外に収量が多かったです。翌年には「ペルーA群」との栽培比較を行い、収量、品質とも圧倒的に「アンデスの雪」が良かったですから、2007年からは栽培品種を「アンデスの雪」1本に切り替えました。
 2006年に別の新品種「サラダオトメ」の苗を10株ほど購入して栽培したところ、湿り気が多い土壌と猛暑の連続というダブルの悪環境にさらされ、真夏に根腐れしたようで、全部枯れてしまって、種芋も取れず、栽培をあきらめました。
 2013年には、「アンデスの雪」の芋に表皮がゴリゴリしたもの(果肉に繊維質が多い)が目立ってきたので、更新を図ろうと考えて種芋を購入し栽培したところ、今まで栽培していた「アンデスの雪」の半分の収穫しか上がらず、粗悪な芋も目立ちました。これもきっと暑さのせいしょう。
 また、同年、「アンデスの乙女」の苗を4株購入したのですが、1株は枯れ、残り3株も息絶え絶えで、やっと生き残っただけで、食用部の収量はごくわずかでした。でも、種芋部はまずまず成育してくれ、翌年の試験栽培に十分足りました。
 2014年以降、「アンデスの雪」「アンデスの乙女」の比較試験栽培を行っていますが、一長一短があって、2つの品種を半々で栽培していこうと考えています。
 なお、だんだん「アンデスの雪」の芋に表皮がゴリゴリしたものが目立ってきたので、再び更新を図ろうと考えて2017年春に種芋を購入し、従前・更新、半々で栽培するも、収獲してみたところ従前・更新に差がなく、がっかりしているところです。

 苗の育て方、栽培法、保存法など 
 ヤーコン栽培の方法は、一言で言えば里芋とほぼ同じで、簡単なものです。
 その概要は次のページに記しています。
 (クリック)→ ヤーコン栽培年間スケジュール
 詳細は、左サイドバーの各カテゴリーをクリックしてご覧になってください。
 そして、高収量をあげるには、第一に牛糞堆肥を十分に入れ込むことで、この方法ならずっと連作しても収量は落ちませんし、多く入れ込めば、それだけ多く収量が上がるようです。なお、逆に無肥料栽培にしたらどうなるか、2018年から全面的に実験を開始することにしています。
 ところで、当地は前述しましたように濃尾平野の奥で、夏の猛暑にさらされる最悪の環境ですから、栽培適地の中山間地や寒冷地の方にはあまり参考にならないと思いますが、ご勘弁ください。
 それでは、みなさんヤーコン栽培に頑張ってください。

 ヤーコンの普及活動
 ヤーコンの普及に力を入れている小生です。作付け可能限度(約100平方メートル)いっぱいヤーコンを栽培し、2015年から3年間、遠方の方には「アンデスの雪」または「アンデスの乙女」の種芋を無償で送らせていただいていたのですが、その後2年間は猛暑による凶作などがあって、それができませんでした。
 そして、2019年からは、寄る年波に勝てず、畑全体の規模縮小をせざるをえなくなり、ヤーコン栽培も3割減の栽培に縮小することとしました。
 よって、遠方の方への種芋送付が不可能となり、申し訳なく思っております。
 ただし、苗づくりのほうは、当面、必要量の10倍程度はできそうですので、取りに来ていただける方には、「アンデスの雪」及び「アンデスの乙女」のポット苗を無償で差し上げられます。お渡しできるのは次の期間です。

 2019年の場合 終了しました
 期間:5月1日(水)~5月11日(土)<日曜日と月曜日を除きます>
 当方の所在地は、当店のホームページをご覧になってください。
  https://ph-miyake.jimdo.com/店舗紹介/

 お渡しできる数量は、お一人10ポット程度までとさせていただきますが、あらかじめメールかお電話していただければ、数量増の相談に応じます。
 メール ph-miyake@asahi.email.ne.jp
 電 話  058-246-7970
 ( 電話は、火曜~土曜日、9時半~18時に掛けていただけると有り難いです。)

 なお、組織的に栽培に取り組もうとお考えのグループの方々には、種芋なりポット苗を可能な限りお渡しし、うちの畑を見ていただくなど、いろいろお世話させていただく所存ですので、いつでもけっこうですから、遠慮なくご相談ください。

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5.22 ヤーコン娘がやっと全員嫁入りしてくれた [よもやま話、雑感]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ヤーコンに関するものは、このブログで再掲することにします。

  ヤーコンの種芋を育苗床で育て始めてからほぼ2か月経った。
 今年は1000個強を育てた。うちで使ったのはたったの75個で、随分前に畑に定植してある。それ以外は希望する方に差し上げるべく、育苗床で芽吹きが始まったら全部ポット苗にし、以来、毎日水やりしたり、芽欠きしたりと、ずっと管理してきた。
 ゴールデンウイーク前半に7名(8人分)の方、皆さんブログを見て取りに来られたのだが、これで120個ほどが出ていった。
 5月半ばに、ここ数年続いているが、グループで栽培しておられる2地区の方に、計400個ほどを持っていっていただいた。
 そして、最後に、本日、とある製薬会社に350個ほどを渡し、東海北陸の薬局・薬店に配っていただくことにした。これは、10数年は続けている恒例行事。
 ヤーコンに惚れ込んだ小生である。精一杯ヤーコン苗を作って、多くの方に栽培していただき、年々ドンドン栽培が広がっていくのを夢見ている。
 だから、単にヤーコン苗と言うのでは味気ないから、ヤーコン嬢と言ってみたり、ヤーコン娘と言ってみたり、嫁入りさせるなんて言葉も使ったりしている。
 まあ、いずれにしても、今日で全員嫁に行ってくれたから、やれやれである。これで、毎日の管理から解放された。暇になって、少々寂しい気もするが。
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5.2 ヤーコン苗、今年はけっこう多くの方にもらっていただける [よもやま話、雑感]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ヤーコンに関するものは、このブログで再掲することにします。

 一昨年までは全国の方々にヤーコンの種芋を無料で進呈してきたが、種芋が不作であったり、送るのに随分と手間がかかることから、昨年からは苗の無料進呈だけにした。
 そして、苗だと送るのは無理であり、取りに来ていただくことにしている。よって、近場の方に限られる。別立てブログで、その期間は5月1日から11日まで(日・月曜日を除く)としており、毎年、数名の方がいらっしゃる。
 さて、今年はどうかというと、昨日3人おみえになり、今日も2人みえた。いずれもブログを見て、あらかじめ電話をいただいた方で、あと1名が近日いらっしゃることになっている。今のところ、この6名で7人分だ。ざっとで100ポット。過去にない多さである。
 1名を除いてどなたも初めての栽培であり、けっこう意気込んでおられ、たいそう喜んでいただけた。今年の栽培がうまくいき、去年のような猛暑がなければだが、晩秋にはヤーコン芋が大収穫となる、そう祈っている。
 なお、お出でになった方々のうち、1名はオピニオンリーダーの素質がある方であり、この方が中心となってヤーコンの輪が広がりそうな感じがする。ヤーコンの普及を夢見ている小生。この方によってヤーコン栽培が広がってくれるとうれしい。
(追記)
 一昨年苗を差し上げた方で、昨年水に浸かって全滅したからと、今日(5月3日)おみえになった。2品種各10ポットを進呈。
(5月12日)
 グループでヤーコン栽培をなさっている2地区(岐阜市IW、関市IT)にそれぞれ200ポット強、150ポット強、計350ポット強を進呈。
(5月22日)
 とある製薬会社を通して例年どおり東海北陸の薬局薬店へ配布していただく350ポットを製薬会社渡し。
 これにて今年度配布全部終了。個数は約990(自家栽培分を含む)
 
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ヤーコン苗を畑に定植、その後の管理 [ヤーコンの栽培]

 ヤーコンの栽培を始めて、もう20年以上経ち、約100㎡の作付けをしてきましたが、ここ2、3年、だんだん規模縮小し、2019年からは約70㎡(7畝→5畝)の栽培としました。
 今後は、この規模で推移していくことでしょう。なお、栽培品種は現在は「アンデスの雪」と「アンデスの乙女」の2品種です。
 ところで、2018年からは無肥料栽培(その詳細→「チャレンジ自然農法」、ヤーコンの連作・無肥料無農薬栽培)でいくこととしています。その結果はどうかというと、2018年はまれにみる猛暑がたたってヤーコンの生育不良や一部が枯れ、そのダメージが大きかったようで、無肥料による収穫減は分かりませんでした。2019年にはっきりするでしょう。
 ヤーコンの苗づくりは、うちで必要とする数の10倍以上を毎年取り組んでいます。ヤーコンに惚れ込んだ小生ゆえ、苗をヤーコンの普及活動に使うためでして、育苗規模は本格的な大がかりなものです。これについては下記ページで書いています。
 2019年産ヤーコンの苗作り
 栽培畝づくりは、近年は収穫時にほとんど完成させています。これについては下記ページで書いています。
 ヤーコン畑の畝作り

 さて、2019年の畑での栽培ですが、以下に順をおって記事にしていくことにします。
(4月27日)
 アンデスの雪のポット苗の一部が随分と大きくなり、育苗管理が大変になりますので、今日、畑に定植することにしました。
 5畝中、奇数畝にアンデスの雪、偶数畝にアンデスの乙女を予定しており、今日は奇数畝3畝に植え付けました。 
 株間は約70cm、1畝約10mで、13株の植え付けです。
 畝づくりのとき、かなりの高畝になってしまいましたので、植え付けに当たり、峰の土を軽く退けて植え付けしました。よって、植え付け位置は若干くぼんだ形になりました。こうすると、多少は干ばつ被害を防げるでしょうし、芋が生育したとき、芋が地表に露出するのもどれだけか防げるでしょう。気休めにしかならないと思いますが。
 そして、予備苗として、畝の両サイドに1本ずつ植えこんでおきました。まれにネキリムシの被害で株元が食いちぎられることがありますし、初期成育が悪いものがでたりするからです。
 なお、定植前に、畝の所々にスギナがけっこう生えているので、鍬で軽く起こして丁寧にスギナを抜き、また、畝全体に雑草は生えだしているので、テンワ(手鍬)で草叩きしておきました。
(4月29日)
 アンデスの乙女は苗がまだ小さいですが、十分に定植に耐えるから、今日植え付け。要領は、2日前のアンデスの雪に同じ。
(5月2日撮影)
DSCN0652.JPG
(6月6日)
 だいぶ大きくなりました。雑草と競争していますが、まだヤーコンのほうが勝っており、当分、このままいきます。ヤーコンが負けそうになったら、(例年6月下旬)草刈り機でざっと草刈りします。
 なお、今年はネキリムシの被害で株元が食いちぎられることはなく、また、初期成育が悪いものもなく、畝の両サイドに1本ずつ植えこんでおいた予備苗は全部引き抜きました。
 ところで、引き抜いたヤーコン、これは食べられます。うまいものではないですが、糖尿病の方は食されるといいでしょう。
<参考記事> ヤーコン葉を食す! 

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2019年産ヤーコンの苗作り [ヤーコンの苗作り]

 毎年の繰り返しになりますが、1000個規模でヤーコンの苗作りをしますので、作業工程も3回になり、第2回目の作業以外は一日仕事になります。
 第1回は、3月中下旬に、畑に土を掛けて保存しておいたヤーコンの種芋(上部の根塊)を掘り出し、これを切り分け、種芋とします。なお、切り口には腐敗防止と肥料効果を期待して草木灰を付けます。(草木灰なしでも特に問題はありません。)
 第2回目の作業は、2、3日陰干ししておいた種芋の苗床への埋め込みです。
 第3回目の作業は、4月中旬に発芽したヤーコンをポット苗にすることです。

(2019年3月24日)
 今日は第1回目の作業。
 畑に土を掛けて保存しておいたヤーコンの種芋を掘り出しました。
 ヤーコン種芋イラスト.jpg
 11月下旬から2月下旬に順次収穫し、今年用に畝立てした5畝の端に種芋をかためて埋めておいたものです。なお、3月中旬に最終収穫した1畝の種芋はダンボール箱に入れ、納屋に。
 その種芋を自宅庭に運び、今日(3月24日)、根塊を切り分け、切り口に草木灰をつけ、種芋作りをしました。
 「アンデスの雪」の場合は、10~20グラム程度に切り分けるのがベストでしょう。種芋が5グラム程度ですと収穫量が落ちる感がします。逆に50グラムという大き過ぎる種芋ですと、芽が幾つも出て競合し、やはり収穫量が落ちるような気がします。
 「アンデスの乙女」は、種芋の大半が5~10グラムにしか切り分けられませんが、5グラム程度でも変わりない収穫が見込めます。
 昨年の猛暑(そして無肥料栽培に取り組んだ)の影響で、栽培2品種(アンデスの雪、アンデスの乙女)ともにチョウ不作で、種芋の成長も悪かったです。
 作業は5時間で終了。できた種芋をムシロに広げ、数を数えてみました。そしたら、アンデスの雪500程度、アンデスの乙女300強で、合計800個ほどしかなかったです。切り分けた種芋はムシロに広げ、納屋にいったん収納。
 全部きれいに発芽することはなく、良品のポット苗はアンデスの雪450程度、アンデスの乙女270程度、計720個ほどになりそうです。
 2年前までは収獲した種芋の約半分をブログ読者で希望される方に差し上げていたのですが、一昨年、昨年と不作続きで、それを全部お断りしました。そして、今年から栽培規模を縮小しますので、もう種芋進呈はできなくなりました。
 ただし、ポット苗は若干余裕がありますので、取りに来ていただける方には、数量限定ですが差し上げることにしてます。
 自家使用分は80個もあれば足りるのですが、お約束している大口の団体が3つあり、どこもかも希望数量を減らすしかなさそうな状況となりました。
 個人的にご希望される方の予約がすでに80個で、これもそろそろ限界です。 
(3月27日)
 例年、陰干し2、3日後に苗床へ埋め込む予定にしており、本日実施。
 ネギの収穫跡を部分的に均し、ムシロより気持ち狭い幅に、種芋を隙間がほとんどないほどにびっしり並べていきます。通路側にアンデスの雪をまず並べ、区切りの棒を入れて、その先にアンデスの乙女。
 土を3cmほど被せ、植え付け終了。保温のためにムシロを乗せ、その上のビニールシートを二重に被せ、周りに石で押さえにして終了。育苗床の大きさは、ちょうどムシロ2枚分です。
 例年、何も被せないことが多いのですが、発芽をよくするため、2017年からこの方法を取っています。朝の冷え込みがなくなり、暑くなったとき(たぶん4月10日頃?)には覆いを外すことにします。これで、重が凍みることは全然ないです。
 そして、ほんのわずか芽吹いた頃(4月半ば)に、ポット苗作りする予定です。
(4月12日)
 育苗床の保温のために乗せておいたムシロ・ビニールシートを外す。
 アンデスの雪は1割弱が芽吹き、アンデスの乙女は芽がまだ地表まで達せず。
 (下の写真は、アンデスの雪の育苗床の芽吹き具合)
DSCN0634.JPG
(4月15日)
 昨日は午後から雨につき育苗床にビニールシートを被せ、晴れてきた今朝ビニールシートを外し、ポット苗作りを始めました。土が湿りすぎると芽欠き作業がやりにくいからです。
 午前8時から作業を開始し、あと少しのところで午後4時で中止。ポット詰めする土(野菜苗用培養土「土太郎」)が底を突いたから。8時間の連続労働で少々疲れ、続きは明日にでもしましょう。
 アンデスの雪は芽吹きも良く、根もけっこう出ていますが、アンデスの乙女は小さな芽吹きのものが多く、根はほとんど出ていません。例年、こうしたものです。
 (下の写真は、アンデスの雪を掘り出したもの)
DSCN0635.JPG

DSCN0636.JPG
 ポットは小さいサイズのもので、苗トレイ1ケースに7×5=35個入ります。
 種芋を1個1個よく見て一番丈夫そうな(軸が太い)芽を残し、それ以外は全部芽欠きします。指で欠きにくいく箇所はクギの頭や先を使って欠きます。アンデスの雪は芽が少ないですが、アンデスの乙女はたくさん芽が出ているものが多いです。品種によって、かなりの違いがあります。
 なお、大きな種芋で2分割できそうなものは包丁で切り分け、切り口はそのままで直ぐにポット詰めしています。これであっても、腐ることはないです。 
 残した芽が真っ直ぐ上に伸びるようにして培養土をポットにこんもり入れ、一丁上がり。培養土がフワッと乗っているだけですから、雨に打たれて(あるいは水やりで)そのうちフラットになります。なお、今年は培養土をケチって、2割ほどは草花プランターから取り出した残土(草花用培養土+牛糞堆肥)の在庫を入れ込みました。
 できたポット苗の数は次のとおり。(翌日に残りをポット詰めした分を含む)
  アンデスの雪   16ケース+αで564ポット
  アンデスの乙女  13ケース+αで462ポット
            合 計  1026ポット
 ポット苗を入れたトレイを畑の空きスペースに並べ、水やりして作業終了。
 これから晴天が続くと、毎日水やりが必要になります。
 (下の写真はポット苗育苗場の全景とポット苗の姿)
DSCN0637.JPG

DSCN0638.JPG
 ゴールデンウイークには、芽吹きが良いものを若干名の方に差し上げ、5月中旬に大口の方々にお渡しする予定でいます。
<2019年の場合>
 期間:5月1日(水)~5月11日(土)<日曜日と月曜日を除きます>
 当方の所在地は、当店のホームページをご覧になってください。
  https://ph-miyake.jimdo.com/店舗紹介/
 お渡しできる数量は、お一人10ポット程度までとさせていただきますが、あらかじめメールかお電話していただければ、数量増の相談に応じます。
 メール ph-miyake@asahi.email.ne.jp
 電 話 058-246-7970
( 電話は、火曜~土曜日、9時半~18時に掛けていただけると有り難いです。)

(2019年5月22日)
 今日でヤーコン苗は全部出尽くしました。内訳は次のとおり。
 うちの畑に作付け         75
 取りに来られた方7名(8人分) 120
 グループ栽培  IW地区    220
         IT地区    165
 東海北陸薬局薬店配布      350
  合  計           930+60(上記のどこかへ)
           処分苗(不良)36

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ヤーコン栽培の年間スケジュール(新版) [ 年間スケジュール]

<ヤーコンの概要>
 晩秋には人の背丈ほどに生長するヤーコンです。DSCN0233.JPG
 葉っぱは糖の吸収抑制作用があり、高血糖の改善に効果が高いです。乾燥させてお茶として使うと良いです。
 地下の芋はオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群です。低カロリーですからダイエット効果が期待できますし、糖尿病の養生食に最適です。
 栽培はいたって簡単ですが、芋の収穫量を上げるにはそれなりの工夫が必要です。
 ポイントは牛糞堆肥をたっぷり入れること。
 なお、種芋になる部分は、左の写真では地面に隠れて見えませんが、茎の直ぐ下、食用部(さつまいもの形のもの)との間にある根塊です。それを切り分けて種芋とし、植え付けます。


(写真は2013年11月24日うちの畑で土をのけて撮影)
(品種は「アンデスの雪」で芋の表皮は薄茶色)

ヤーコン栽培の年間スケジュール(新版)
(2015年5月14日作成)
(2017年3月5日、2018年3月30日一部改訂)

 当地は、岐阜市近郊、濃尾平野の一画にあり、海抜10メートルの沖積層の土壌です。3月下旬からヤーコンの作付け準備に取り掛からねばなりません。
 うちでは約100㎡(概ね10m×10m)の区画に7畝(2016年から6畝、2019年から5畝)を作付けし、例年11月末から順次掘り始め、3月中頃に最終収穫しています。
 そして、2月までに掘ったヤーコンの種芋(凸凹した塊:根塊)は、その都度1か所に集めて土を掛け、春の苗作りに向けて畑で保存しています。
 1株の根塊から10~20個程度の種芋が作れますから、通常は全部を保存する必要はないですが、ヤーコンを普及させたく、種芋やポット苗をたくさん作り、皆さんに差し上げることにしていますから、基本的に捨てることはしません。

 うちの2014年度までのヤーコンの栽培方法は下記の記事で紹介しています。
   ヤーコン栽培年間スケジュール(旧版)
 これは、通常の農法によるもので、基本は里芋と同じです。ただし、ヤーコンは暑さに弱いですし、湿り気にも弱いですから、それなりの対応が求められます。
 ところで、小生は2013年には65歳「高齢者」となり、体力的に自身がなくなってきましたので、軽作業で栽培したく、2015年度からは自然農法を可能な限り取り入れようと考えました。つまり、土をあまりいじらず、雑草と共生させる、というものです。
 よって、従前とは畝立ての方法や定植の位置を変えて、その後の土寄せを止めることとしました。それを頭に置いて、栽培スケジュールを立て直しました。
 2015年度はこれで大成功し、2016年度も同様でしたので、今後は改定新版で栽培することにした次第です。2017年はというと、異常気象もあってか1畝だけは豊作でしたが他の5畝は不作でした。

*3月下旬:冬越しさせたものを最終収穫
    上部の凸凹した塊が種芋、下部は食用芋です。
ヤーコン種芋イラスト.jpg
DSCN0236.JPG

(写真:2013年11月24日撮影)
  下部の食用部を千切り取ったあとの種芋部分です。小さい丸で囲った種芋は小さすぎるので捨てます。中ぐらいの丸で囲った種芋はちょうど良いです。下側に大きな塊になっているものは切り分けて種芋にします。

*種芋の塊を10~20グラム程度に切り分け
 1株から種芋が少なくとも20個は取れます。
 「アンデスの雪」の場合は、10~20グラム程度に切り分けるのがベストでしょう。種芋が5グラム程度ですと収穫量が落ちる感がします。逆に50グラムという大き過ぎる種芋ですと、芽が幾つも出て競合し、やはり収穫量が落ちるような気がします。(「アンデスの乙女」は、種芋の大半が5~10グラムにしか切り分けられませんが、5グラム程度でも変わりない収穫が見込めす。)
 なお、冬越しさせたものを放置しておくと、4月には芽が地上に出て、バラバラに分かれ、それを苗にできますが、芽吹いた種芋があまりに小さいせいか、収穫量が落ちるように思われます。

*切り分けた種芋を2、3日陰干し
 切り口に藁灰(草木灰でも可)を振っておくと腐り防止になり、また、ミネラル補給にもなり、成育が良い感がします。
 なお、芽が伸びすぎているものは、切り分け作業中に傷が付くことが多く、綺麗な成長が期待できそうにありませんから、欠き取っています。別の箇所から新たに綺麗な芽が出ますから心配ないです。

*苗床(露天)に埋め込み
 台形の畝を立て、無肥料でよいです。降雨直後で湿りすぎている土ですと種芋が腐る恐れがあり、土が少し乾いてからのほうがいいようです。
 ポット苗にするときは、小さな芽吹きで掘り出しますから、約6cm間隔(ビッシリ芋を並べて良い)で並べ、土を2cm程度かけます。苗床から直接定植する場合は、芽がある程度伸びてからの移植となりましょうから、倍の間隔が良いかと思います。
 水やりは、あまりしなくて良いです。
 種芋の数が少なければ、穴を十分に空けた発泡スチロール箱で可。
 なお、2010年、2011年は、4月の異常低温で発芽が遅れましたし、一部(といっても1割以下)の種芋が凍みて発芽しませんでした。露地育苗では遅霜に注意。氷点下になると種芋が凍みて全滅の恐れがあります。
 霜が降りなくても冷え込みが予想されるときは、夜間ムシロなどで覆うと発芽が早まりますし、凍みる種芋も少なくなります。うちでは、2017年からムシロの上にビニールシートを被せ、暖かくなり冷え込みが弱くなったら外しています。降雨による水浸しで種芋が腐ることもあり、ビニールシートはこれも防げましから、これでもって発芽率がほぼ100%になりました。
 また、ビニールトンネルでの育苗が良いようですが、2012年は急に暑くなった日に覆いっ放しにしておいたら、芽がゆだって溶けてしまい、逆に失敗しました。この点は里芋と大違いです。暑さにも弱いヤーコンです。
 冷涼地では早期育成が収穫量を上げるコツとのことで、ビニールトンネルさらにはハウス育苗がおすすめです。寒冷地では、収穫時期が早まりますから、より早期育成が肝腎となり、温室での育苗が必須のようです。

*芽が複数出たら、芽掻きし、1本立てに
 苗の段階で主茎が1本ですと、太く高く生長するようですし、収穫量が上がると思われ、複数の芽が出た場合は芽欠きしています。
 うちでは、ビニールポット苗にして育苗しています。(ポットは小でよい。)
 よって、全体の1、2%が地表に芽吹いたら、全部掘り出し、ポット苗にします。
 そのとき、たいてい幾つも芽が出ていますから、一番軸太の元気のいい芽だけ残して1本立てにしています。
 1本立てにしたポット苗でも育苗段階で複数の芽が生長することがあり、その場合は早めに芽欠きしています。
 苗のうち1割弱は綺麗な葉が出なかったり、ちっとも大きくならないものが生じます。これらは定植しても収穫量も落ちると思われますので処分しています。
 育苗管理は、毎日の水やりが欠かせません。
DSCN0390.JPG
*4月下旬:高畝づくり
 畝幅は150cmとしました。これ以上狭くすると、何本も出る脇枝がために通路がふさがって風通しが悪くなり、収穫量が落ちると思われます。過去の経験では、畝幅を180cm取っても単位面積当たりの収穫量は変わらないでしょう。
 うちの畑は若干湿り気が多いので、高畝にしています。これは、秋に湿り気が多いと、種芋が大きくなり過ぎてしまって、肝腎の食用部の成長があまり進まないからです。(注)水はけが良すぎると、真夏の雨なしで枯れる恐れがあります。枯れ具合は里芋と同程度か、里芋より若干丈夫です。
 なお、うちではずっと連作しており、前年の畝間を今年の畝にするようにします。こうすると、前年に繁茂した雑草が堆肥化され、肥料の節約にもなります。
 肥料は、高畝作りをするときに、牛糞以外は全部入れ込みます。うちが使うのは、苦土石灰、種粕、鶏糞を適当な量、そしてここの畑で生じた野菜の残骸や柳の木の枝などを燃やした草木灰です。化成肥料は使っていません。
 なお、ヤーコン栽培には、特に連作する場合、牛糞堆肥がベストと聞いていますので、これは定植時にたっぷり入れることにしています。

*5月中旬:畑に定植&施肥
 苗の背丈が5cmになれば定植してよいです。
 株間は70cm程度は取りたいです。密植すると1株当たりの収穫量が落ちます。
 生長の悪いものがあったり、ネキリムシに株元を食いちぎられることがありますから、予備苗を1割程度畝間にでも植えておくとよいです。
 ヤーコン苗の定植穴を大きめに掘り、牛糞をなるべく量多く(2016年は2リットル:多ければ多いほど高収穫になる)入れ、土とよく混ぜてから苗を植え付け。

*6月:苗の手入れ
 苗が1本立てであっても、後から新芽が種芋の別の箇所から伸びてきて複数立てになることがあります。この場合、芽欠きしたほうが収穫量が上がる感がします。
 なお、その後に主茎から脇芽が出だしますが、これはそのままにします。最終的に10本以上の脇枝が生長しますが、これは芋の成育に欠かせないものです。
<食べられる葉と茎>
 芽欠きした葉と茎は、あまりうまくないですが、味噌和えや佃煮にして食べられます。そのままだと苦味が強く、ゆでた後で2、3時間水にさらすと良いです。葉っぱのお茶より血糖値を下げる効果が大きいです。糖尿病の方におすすめします。ただし、量多く食べると、低血糖になることがあるようです。

*6~7月:畝の法面に枯草などを被せる
 ぐんぐん生長を始め、脇芽がどんどん出ますが、脇芽は放置し、芽欠きしません。
 ここのところは里芋と違います。
<本格的に葉と茎が食べられるようになり、お茶にもできます>
 全体の2割程度の脇枝を取っても芋の収穫量に差は出ないようです。
 畝間や法面に繁茂しだした雑草は伸びるがままにしておきます。
 雑草でヤーコンが隠れそうになってきたら、草刈機でざっと草刈します。(2015年は1回、2016、17年は2回草刈しました。)

*梅雨明け後:必要に応じて熱射、乾燥対策
 暑さに弱いヤーコンです。畝の法面に雑草が生えていれば、地温上昇が防げ、ヤーコンへのダメージが随分と減ります。
 雑草の繁茂がなければ、どこかで刈り取った雑草や藁などをたっぷり敷くこととします。そして、藁や雑草は最終的に堆肥になります。
 雑草は引き続き繁茂しますが、梅雨明け後の猛暑で雑草の方が倒れて、ヤーコンが勝ってしまい、以後の草刈は不用になることでしょう。

*真夏の日照り対応=水やり
 2012年のまれな猛暑のときは、用水路から汲んだ水で何度も水やりをしましたが、これは10数年の栽培歴で1回しかないです。
 水はけが良すぎる畑では、里芋と同様に水やりが必要でしょう。          

*9月:必要に応じて湿気対策、風害対策
 真夏の間は生長が鈍いですが、朝晩涼しくなった頃からぐんぐん伸び始め、脇芽もどんどん出て伸びます。
 湿り気の多い畑(種芋部分が大きくなりすぎ、食用部の成育が鈍る)は、水はけを良くするために、畝の削り上げを行い、高畝にし、雨水が流れ去りやすくする必要がありますが、当初から高畝にしておけば何もしなくて済みます。
 たびたび強い風害が予想される地域では、背丈が1mほどになるよう、主軸を刈り取っておくと軸折れせず、収穫減を防ぐことができるようです。

*11月下旬以降:順次収穫し、種芋は別途保存
 10月下旬には芋がだいぶ大きくなっていて、一部収穫して良いですが、芋はまだ成長中です。葉の元気さがなくなったら、そろそろ収穫時期です。霜が降りたら、葉が凍みて黒く変色し、もう芋の生長は見込めません。
 食用部はさつまいもの形をした部分です。収穫量は1株当たり3キログラム以上になります。条件が整えば5キログラム程度にもなります。
 痛みやすい芋ですから、長期保管が難しいです。
(写真:上側が「アンデスの雪」、下側が「アンデスの乙女」)
DSCN0441.JPG
<大量に収穫したとき>
 収穫後、呼吸が落ち着いてから、さつまいもと同じ方法で貯蔵すればよいとのことです。大きな箱に籾殻を入れて保存しても良いです。新聞紙で囲みこんでもかなり持ちます。乾燥に弱いのがヤーコン芋ですから、こうした保存法を取るのです。
<種芋(根塊)の保存>
 種芋を畑の一角に積み上げ、土を掛け、ビニールシート(肥料袋でよい)で上部を覆い、雨水が染み込むのを防止し、冬越しさせます。里芋より若干寒さに強いです。          

*12月下旬:地上部を刈り取り、畝にシートを掛けて、冬越し
 雪や雨で、芋が凍みることがありますから、必須です。雪が降らない温暖地では土寄せだけで良いようです。こうして、2月、3月にも収穫できるようにしておきます。
 畝間に雑草を繁茂させたため、枯れ草がビッシリあり、図の「土でおさえ」ができず、ヤーコンの残骸などを重しにしただけなため、シートが一部分めくれたました。少なくとも畝の両サイドだけは「土でおさえ」が必要なようです。

DSCN0079.JPG

            (2013年3月撮影 5畝は収穫済み、残りは2畝)

 3月に収穫した芋を籾殻の中で保存すると5月中旬までは持ちます。
 2015年度産からは、新聞紙で箱の上下左右を覆う形で乾燥防止し保管していますが、それで十分な感がしています。
 また、2016年3月収穫の大きな芋を、4月半ばに1個ずつ新聞紙に包み、冷蔵庫保管したところ、7月までは良かったのですが、それ以降は乾燥してダメになったものが多くなりました。(アンデスの雪はまだ良かったのですが、アンデスの乙女は日持ちが悪かったです。)よって、2017年以降は8月以降に食べる分はアンデスの雪とし、ビニール袋に入れて冷蔵庫保管することとしています。

備考:連作障害について
 連作は可能ですが、収穫量が年々落ちます。安定した収穫を得るには、堆肥、特に牛糞で肥沃にするのが理想的です。
 うちでは長年連作していますが、牛糞をそうたくさんではありませんが意識して使うようにしており、収穫量は落ちていません。
 なお、ヤーコンの跡にトマトを栽培すると全滅することがあります。ナスも出来が悪くなる傾向にあります。(ヤーコンの根に毒がありそうです。) 

 以上の栽培方法は、当地(濃尾平野の一角で夏は猛暑。やや湿り気のある土壌)での方法で、2015年から少々変えた、当地に最適の栽培法です。
 地域や土壌の違いで、やり方が変わりますから、工夫なさってみてください。
 なお、ヤーコンはまだまだ原種の力を持っていますから、環境適応力が強く、1年目が失敗に終わっても、その地域の気候と土壌を学習し、2年目、3年目と収穫量が上がってきますから、種芋を保存し、あきらめずに栽培を続けてください。
 皆さんのヤーコン栽培の成功をお祈りいたしております。
 そして、隣近所やお友だちに栽培をお勧めしていただき、ヤーコンの輪を広めていきましょう。よろしくお願いします。 

※2018年産から「無肥料栽培」に挑戦
 雑草と共生させ、牛糞堆肥をメインとする栽培法を確立したものの、その後に各種野菜の「無肥料栽培」に取り組むこととしました。2018年がその初年度です。
 ヤーコンについても同様とし、別立ての下記ブログで書いています。
 「チャレンジ自然農法」、ヤーコンの連作・無肥料無農薬栽培 
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ネズミのごちそうはヤーコン芋 [よもやま話、雑感]

(2016年1月14日)
 自宅のあちこちにネズミが出没しだした。
 最初は自宅の天井裏であったのが、倉庫に移り、そして今は納屋だ。
 倉庫に出没したのを発見したのは、玄米の米袋。年末のことである。3袋とも下部が齧られ、玄米をほんの少し食べられていた。被害は軽微だが、このままでは玄米がこぼれ出るからガムテープで補修しておいた。
 その後で発見したのは、長期保存してある芋類。里芋の親芋、ジャガイモ、山芋が所々齧られていた。なお、里芋の小芋には被害はなかった。
 そこで、玄米、芋類の全部を納屋に避難させた。なお、その後、正月には納屋に収穫したばかりのヤーコン芋を置いた。
 ところが、納屋にもネズミが出没した。その被害状況は次のとおり。

 ・玄米 ガムテープで補修しておいたからか被害なし
 ・里芋の小芋 ダンボール箱に蓋をして置いたから被害なし
 ・里芋の親芋 無被害
 ・ジャガイモ 無被害
 ・山芋 2本がほんの少々齧られた。
 ・ヤーコン芋 10日ほどの間に、次々と4本が齧られ、大きなくぼみができた。

 こうしてみると、ネズミがもっとも好む食べ物はヤーコン芋ということになる。
 これは、ネズミの消化器官はヒトにたいへん類似しているというから、彼らにとって好物のヤーコン芋は、ヒトと同様に彼らの健康にとてもいいのである。なんせオリゴ糖をたっぷり含み、腸内環境を大改善してくれるのだから。
 ところで、ネズミの駆除対策をしていないわけではない。
 強烈な毒餌を天井裏と倉庫に、まず置いた。倉庫でどれだけか食ったから1匹は退治できたであろう。天井裏からも姿を消した。
 その後、毒餌を納屋に移し、山芋やヤーコン芋の齧ったくぼみにも毒餌を置いておいたが、蹴散らかされるだけで食ってはいそうにない。
 そこで、粘着板を2個置いたのだが、1週間経っても掛かっていない。

 今日(1月14日)、正月に掘ったヤーコン芋もすっかり乾いたから、これ以上の乾燥を防ぐために、今朝、カゴに新聞紙を敷き、その中にヤーコン芋を入れて、新聞紙を被せておいた。その上に齧られたヤーコンを乗せ、齧ったくぼみに毒餌を置いたのだが、果たして毒餌食ってくれるか。あまり期待できないだろう。
 ところで、ヤーコン芋以外の被害は軽微であり、ヤーコン芋を食うようになった以前は、これでは彼らの胃袋を満たすことは不可能であろうと思われた。
 彼らは何を食ってきたのであろうか。
 これは、後から発見したのだが、倉庫に置いてある牛糞堆肥であった。
 積み上げてある牛糞堆肥の最下部の袋が2箇所食い破られ、大きなくぼみができていた。うちで使っている牛糞堆肥は、牛糞・敷藁orおがくず・バーク(樹木の皮)を完全発酵させて作られる発酵生成物であるから、これまた彼らの体にとてもいい発酵食品である。
 オリゴ糖たっぷりのヤーコン芋を食ったり、発酵食品を食ったりと、彼らネズミどもは、この上ない健康食材ばかり腹いっぱい、いや、被害の程度からすると腹八分で止めているようである。
 ヒトも少しは彼らネズミを見習わねばいかんですね。具沢山の味噌汁、それも屑ヤーコンを多く入れたもの、これを毎食とることでしょうなあ。
 こうして、ネズミに一つ教えられたところです。
 2015年産のヤーコン芋は史上最大の豊作となったから、君たちネズミ君にもヤーコン芋をおすそ分けしてやるよ。
 でも貴重な山芋はもう食わんでくれよな。今度、山芋を食ったら、強烈な毒餌、これはかなり高額だが、もう1箱ばら撒いて、かつ、粘着板を倍に増やしてやるからな。覚悟しておけ!

 と、ここまで書き綴ってきたのですが、人間なんて実に勝手な生き物ですね。自分に都合のいい物差しだけでネズミを褒めたり叱ったり殺そうとしたりするのですから。
 
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出る出る大量のウンチが、ヤーコン芋を食べると [よもやま話、雑感]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」に投稿した記事ですが、このブログに関係が深いですので、ここに再掲することとします。
(2018年12月26日)
 一昨日、昨日と朝の排便はまずますであった。でも、少々物足りない。もう少し出ても良さそうなものを、といった感じであった。
 さて、当店連休の2日目の昨晩、といっても、いつもより随分と早く午後5時から晩酌を始めた。店が休みの日はたいてい午後6時から晩飯となるが、そうは長く仕事をしていたくないから、早めに切り上げたところである。
 まだ今晩の料理は出来ておらず、佃煮や昨日の残り物を酒の肴にしながら、焼酎の湯割りをチビチビとやる。そのなかで一番量多く食べたのが、ヤーコン芋のきんぴら(ヤーコン芋だけの炒め物)である。これがテーブルに乗ることは多い。便秘がちの女房がお通じが良くなるからと、健康食として食べるからである。
 ヤーコン芋は、例年11月末に初収穫し、3月中旬に収穫を終え、その後は冷蔵庫保管して夏まで食材として使う。初物はとてもおいしく感ずるが、そのうち飽きがきて、小生がヤーコン芋のきんぴらを食べるのは、一口二口となる。1か月経って、もうその状態になっている。
 ところが、昨日はメインディッシュが出来上がるまで小1時間あったから、随分とヤーコン芋を食べた。
 そうしたところ、今朝、目が覚めたら、いつもよりうんと強く便意を催す。身支度をそそくさと行い、7時過ぎに排便。ちゃんとたっぷり出たが、そのときはヤーコン芋を夕べ食べたなんてことは思い出しもしなかった。
 さてさて、開店準備で動き回った後、9時半頃に再び便意を催す。過去に、便秘ぎみで、朝、少ししか排便できなかったときには、こうしたこともあったが、“今日はどうしたことか?”である。たぶん少ししか出ないだろうと思いながらトイレに入ると、いつもと変わらぬほどの量の排便をみた。
 “どういうことだ、これは?!”とビックリ。
 よくよく考えてみると、昨晩、ヤーコン芋のきんぴらを随分とたくさん食べた、これが原因して大量ウンチとなった、そうに違いない。女房が言うように、そのとおりだ。
 というようなわけで、あらためてヤーコン芋の素晴らしさを実感したところです。
 お時間がありましたら、別立て下記ブログをご覧ください。
 第1の栄養素はオリゴ糖と考えるべき。ヤーコン芋にご注目を。 
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随筆「ヤーコンの詩」 [ 随筆「ヤーコンの詩」]

(2011年にアメブロに投稿しましたが、このブログで再掲します。)
 随筆「ヤーコンの詩」を書いたのは2006年3月のことでして、このときには、「まえがき」を付けていませんでした。でも、ブログに載せるとなると、5年も前のことですから、注釈が必要になりますし、「あとがき」を先に読もうと思っても、本をパラパラッと、めくるようにはまいりませんので、新たに付け加えることにしました。

(まえがき)
 当時は、まだ新品種が一般に出回っておらず、在来種のペルー系(原種に近いもの)での栽培でしたが、前年に出たばかりの新品種2種を試験的に導入して複数の品種の栽培に着手したばかりの年でした。
 ところで、新品種のうち「サラダおとめ」は、夏に枯らしてしまったのですが、「アンデスの雪」は、小生に素晴らしい収穫をもたらせてくれました。
 よって、2006年度以降の作付けは「アンデスの雪」とし、お世話になった在来種は、種を絶やさないために細々と栽培を続けているだけです。その在来種は、当初は2畝、その後は2株としていたのですが、2010年の夏の猛暑で枯らせてしまい、とうとう絶やしてしまいました。在来種には申し訳ないと思っています。

 この随筆は、数年にわたって在来種の栽培に悪戦苦闘していた頃の農業日誌を元にしつつ、新品種「アンデスの雪」への切り替えを決めたときの小生の心の動きを綴ったものです。
 植物も原種に近いものとなると、品種改良された野菜とは違って、その地の環境に適応しようと毎年様々な努力をしてくれているのが分かります。時々畑へ行って、じっくり観察を続けていたら、それが分かりました。小生にとっては、初めての体験で、驚くと同時に感動しました。
 こうしたことから、その感動を随筆として著すこととしたものです。

 なお、予備知識として、ヤーコンはどんな植物か、簡単に紹介しておきましょう。
 南米アンデスが生まれ故郷のキク科の多年草で、赤道直下の高地で栽培されています。よって、年中快適な気候のもとで成育していましたから、気温が氷点下になると凍てつきますし、高温多湿に弱いです。こうしたことから、日本では、中山間地や東北・北海道が栽培適地となっていまして、当地、濃尾平野は、彼らにとっては、かなり過酷な環境と言えます。
 ヤーコンの葉は血糖値を下げる作用があり、糖尿病の方の健康茶として愛飲されていますし、地下にサツマイモの形の芋を付け、これはオリゴ糖たっぷりで整腸作用が高く、腸内環境の改善に最適なものです。
 この芋は芽吹くことはなく、この芋の上部にできる根塊が芽吹きますから、この根塊を冬季に凍みないようにして保存し、種芋にします。
 参考までに、うちの作付けは、約100㎡、100株弱です。



随筆「ヤーコンの詩」



私には名前がない。
いや、名前は私には馴染まない。
私の知る限り、仲間は全員が一卵性双生児と考えられる。
なんせ、たくさん芽を吹いた種芋を切り分けて育てられたから。
遺伝子は全員ぴったり一致すると言ってよい。
おまけに、知り合いは私の隣でじっと根を張った数名だけである。
皆、私と言った方がより正しいかもしれない。
私の属する「種」には名前が付けられているようだ。
生き物に「種」が幾つもあることは私も知っている。
私の助けになる「種」もいれば、そうでない輩もいる。
それらの「種」に名前を付けて記憶できたら、多少は便利だろうとは思うが。
まだ、そこまでの必要性を感じていない。
私には無駄な知識に過ぎないといったところだ。

私が知る変わり物の「種」は、やたらと「種」に名前を付けたがるようだ。
さらに、私たちを在来種とか新品種とか品種でも区分けしているらしい。
私は在来種に属するようだ。
しかし、私の感覚器官で判断するに、まだ、品種の相違は分からない。
今年、私の隣の畝に新品種が植えられたようだ。
葉触り、根触りとも、違うと言えば違うが同じと言えば同じだ。
品種改良なるものがどんどん進めば、違いを感ずるようになるかも知れないが。
もっとも、違いが分かってそれでどうだというものでもない。
こんなことを言う私は、よほどの変人だろうか。
私が知る変わり物の「種」には、そう感じるだろう。
私も、その「種」の考えていることはなかなか理解できないから。
くだらないことばかり喋って申し訳ありません。
ここらで、私はどんな生き物か、私が感じるままにお話ししましょう。

私には、目がある。
全身でお日様の光をはっきり感じる。
ただし、明暗だけである。物の形、色は全く分からない。
他の生き物を取って食うわけではないから、これで十分である。
逃げようと思っても全く動けないから、外敵の姿が見えても何の役にも立たないし。
自慢じゃないが、色盲でも色彩感覚は備えている。
私が付けた花を見ろよ。
数は少ないが所々に咲いているだろ。
どうだ、綺麗だろ。可憐で可愛いだろ。
自分では、どんな花が咲いているのか分からないが自己満足している。
羽が生えた小動物が大喜びで飛んで来て、ほんの少しある密や花粉を食べていく。
私たちは魅惑的な姿を見事に作り上げる、類いまれなる能力を持っているのだ。
もっとも、小動物がすぐに飛び去って行っちゃうから見せかけだけかもしれないが。

私には、鼻がある。
美味しい空気とそうでない空気の差が分かる。
また、私の周りにいる生き物が炭酸同化作用で吐き出す息の酸素臭が分かる。
根の呼吸で吐き出す炭酸ガスの臭いもはっきり区別できる。
さらに、花の臭いは当然、嗅ぎ分けることができる。
羽が生えた小動物に匂いで魅了させる必要があるからだ。
もっとも、私は、子孫を芋で残すように進化してきた。
いまや、花の意味がほとんどなくなってしまった。
小さな形ばかりの花を付けたり付けなかったり。
受粉しても種がわずかしかできない。
通常の自然条件では、発芽は無理なほどに退化させてしまった。
私が知る変わり物の「種」は、だから品種改良が難しいと、ぼやいているようだ。
そんなこと私の知ったことか。

私には、皮膚感覚がある。
寒暑は元より、湿度にはとても鋭敏である。
私の隣にいる生き物が延ばしてきた根の感触、風で触れ合う葉の感触が分かる。
この感触は、同じ「種」のものでも、違う「種」のものでも嫌なものである。
小動物にかじられたり、油を塗りたくられたりすると痛みや不快感も覚える。
もっと嫌なのが四六時中感じっ放しの根っこの絡み合いである。
お互いに根っこを擦り合って、邪魔しっからかし、陣取り合戦を繰り広げる。
ストレスが溜まります。成長にも大きく影響します。
一方、モグモグ動く大小の地下動物に接触したときは感謝している。
彼らが私の根をググッと持ち上げ、時には傷付けたりする。
しかし、後から新鮮な空気がスーッと入ってきて生きた心地がする。

私には耳がある。
そよ風の音は心地好い。
クラシック音楽を聞いて育つ「種」もあると聞く。
私たちにも聞かせてくれたら、おおいにストレスの解消になるだろう。
たまに通りかかる大型動物も音を発することがある。
私が知る変わり物の「種」の出す音だ。
大抵は耳障りな音で、黙って動けと言いたくなるが、心地好いこともたまにある。
最近、この変わり物の「種」が何か呟いているようにも感じるようになった。
私に向かって呟いているようでもあり、少々気になる。
いずれ、聞き耳を立ててよく聞いてみようと思うが、今は聞き流しておこう。
何分、異言語を理解するのは至難の技だから。

私には、鋭敏な味覚感覚がある。
これは、自慢できる。
ビッシリ張り巡らせた毛根で、あらゆる物質の味の違いを感知できる。
私たちの三大栄養素、窒素、リン、カリウムは、一際うまい。
そして、ナトリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、その他の微量ミネラル。
皆、その味が分かる。
最近は有機肥料が多くもらえる傾向にあり、誠にありがたいものだ。
有機肥料は適量の窒素補給に絶好だ。他の栄養素も多い。
また、有機肥料でミネラルバランスが整い、良い成育環境が整う。
病気にも強くなったし、本来のズングリムックリの丈夫な姿に成長できそうだ。
時々、化成肥料なるものがいただけるが、あれには閉口する。
窒素、リン、カリウムの味が強すぎる。舌が麻痺する。火傷する。

悲しいかな、私には口がない。
喋りたいことは山ほどあるが喋れない。
全身で表現する以外に、発言の方法がないのだ。
引き続き、私のお話を聞いてください。
全身で表現していますから少々疲れますが、何とか感じ取ってください。

私は茎の直ぐ下に種芋を作ります。
その下に、動物が食べられる食用芋を作ります。
決して美味い芋ではないが、蓼食う虫も好き好き。それを好む動物もいます。
どんな動物か知らないが、先程登場した変わり物の「種」が目の色を変えて喜ぶ。
まだまだ認知度が低くて残念ですが、大いに食べて欲しいと願っています。
その場で腐らせるのは何とももったいない。
私たちの芋が、なぜ、こんな形になっているか、説明しましょう。
食用芋を食べようとする動物は、大きな穴を掘るしかない。
まずくて食えない種芋を掘り出し、齧ってくれれば儲けもの。
吐き出した種芋を周りに散らかしてくれること間違いなし。
翌年、何人もの子孫が広範囲に成育してくれる可能性が大である。
大抵の動物は、足で種芋を蹴飛ばし、その下の食用芋を手に入れる。
種芋をできるだけ強く蹴って、より遠くへ移動させてほしいものである。
子孫がより広く生活領域を広げられるから。
そして、翌年、種芋から再び芽を出し、葉を茂らせ、そして芋を作る。
遥か昔のご先祖様から、つい最近の親までが等しくこのような経験をしてきた。
私の記憶に、はっきりと残っておる。
私たちは、このようにして相も変らぬ環境で一年の寿命を毎年繰り返してきた。
しかし、近年、私の成育環境がガラッと変わった。
天変地異とはこのことだ。大変革が起こった。
神のなせる技か。
私たちに素晴らしい平和と子孫の大繁栄が訪れたのだ。
ここからは私の作った種芋に話をさせましょう。


神の手

僕は、種芋君です。
茎を切り取られ、食用芋をちぎられ、地表に放り出されちゃった。
怖いよう。
生き延びるには、あまりにも過酷な環境だよ。
いやだあ、お日様が射してきた。
ドンドン乾いちゃう。干からびていっちゃうよう。
待ちに待った恵みの雨。
よかったあ、生きた心地がするよ。
ワーッ、大雨になってくれた。
土が流れてきた。半分、土に埋まった。嬉しーい。
これで、そのうち根が張れる。生き延びられるよ。

僕には、このような記憶がはっきりと刻み込まれています。
でも、今は、なぜか全く違うのです。
地表に放り出され、不安を感じるのはせいぜい半日程度です。
その後、隣に根を張っていた種芋君たちと一緒に積み重ねられます。
タップリと土をかけられ、その上に雨避けも張られるようです。
親父の話では、ご先祖様が育った環境は多少空気が薄いとのこと。
気温の年変化が少なく、湿度も程々で、とっても快適だったと言います。
でも、近年は、突然、空気が濃くなり、気温の年変化が毎年著しいと言います。
冬は、経験したことのないほどに非常に過酷な寒さになると言っています。
気温が零度C以下に下がると、僕たちは必ず凍死してしまいます。
でも、土と覆いのお陰で春まで零度C以下に下がることがなくなりました。
少しばかり寒いですが、凍死もせず、干からびもせず、命を繋ぐことができます。
啓蟄の頃には、既に僕たちの体内で芽吹く準備が整っています。
ここからが、凄いのです。
最高に嬉しいのです。極楽のような世界が始まるのです。
お彼岸の頃、僕たちは、突然、お日様の元に放り出されます。
さあ、芽吹かなくっちゃ、と思っていると、神の手が現れるのです。
僕たちは一卵性双生児で20人ぐらいが固まっています。
このままですと、そのうちの少数しか芽吹くことができません。
芽吹いたとしても1株として成長できるだけです。
神の手は、鋭利な刃物で僕たちをバラバラに切り分けてくれます。
傷口から黴菌が入らないように日に干してくれます。
親切な神様は、切り口に藁灰を振りかけて、傷の手当をしてくださいます。
藁灰は、根を張ったときに直ぐに最高のご馳走、ミネラルに大変身してくれます。
次に、ふわふわの苗床に僕たちをそっと置いてくれ、適量の土をかけてくれます。
そして、毎日、定時に適量の雨を降らせてくれます。
冷え込みのきついときは覆いをかけてくれます。
至れり尽くせりの環境で芽吹き、そして根を張ることができます。
ちょっと窮屈になりかけると、再び、神の手が大きく動きます。
少し根をやられますが、苗床から掘り起こされ、どこかへ運ばれます。
広々としたふわふわの土地に植え込まれます。
好きなだけ根を張ることができます。何せ、他の生き物の根が全くないのですから。
ご馳走もタップリいただけます。
既に、吸収しやすいように窒素やミネラルがたっぷり土にブレンドされています。
神の手が下準備をし、我々の栄養を撒いてくれているのです。
ドンドン根を張り、グングン茎を伸ばし、葉をたっぷり付ける。
他の生き物もドンドン根を張り、僕の根に絡んできました。うっとおしいなあ。
再び、神の手。いやな根がスーッと引き抜かれ、自分の根だけで場所を独占。
気持ちいいー。
好きなだけ大きく成長させていただけるようです。
僕の記憶の中には根を張るのは並大抵のことではないとあります。
すでに、他の生き物の根がビッシリ張り巡らされ、その隙間を縫うしかない。
激しい生存競争の世界が地下で繰り広げられると、ご先祖様が言っておられます。
地表でもそうです。他の生き物の葉がうっそうと生い茂る。
少しでも上に伸び、葉を広げ、お日様の日光を受けなければ成長できない。
それが、根であれ、葉であれ、完全に自分だけで独占できる。
これが極楽、天国でなくて何であろう。
やはり、神は存在するのだ。僕は、神によって救われたのだ。

随分と暖かくなってきた。快適だ。
依然として、根は独占的に好きなだけ張れる。
葉も思うように茂らせることができる。
小動物が地下でうごめき、快適な環境をより素晴らしいものにしてくれる。
小動物が音を立てて葉っぱにとまり、話しかけたりもしてくれる。
何を言っているのか良く分からないことが多いが、お互いに生き物。
仲良くやろう。僕は最高に幸せだが、君はどうかね。
あっ、行っちまったか。
今日は雨だ。根を伸ばすのにちょうど良いお湿りだ。
おっ。僕と同じ仲間の根だ。この感触は。
僕の方にどんどん伸びてくる。右も、左も。
なるほど、両隣に仲間が植えられていたのか。
匂いで、多少その気配は感じていたがよろしく頼む。
雨が上がって風が出てきたな。心地好い風だ。
おっ。葉っぱが擦れ合ったぞ。両隣の仲間のだ。
上下共々よろしく頼む。
最近は気候の変化が激しいと聞いていたが、どんどん暑くなるな。
お日様もますます高く昇るようになった。
日光がタップリ当たって光合成もドンドン進む。
伸びて茂る。茂って、また伸びる。
あらぬ方向からも根が伸びてきた。両隣の畝にも仲間がいたのか。
ちょっと隣が邪魔になってきたな。
四方八方から根も絡むし、葉もひどく重なり合う。

滅茶苦茶暑いわ。うだってしまう。
そこら中、仲間の葉っぱだらけで風も通らん。蒸すなあ。地獄だ。
幸い、高畝にしてもらっているから根腐りだけは避けられそうだが。
これで、粘土質の土だと持たんだろうなあ。
やっと日が傾きかけたか。一息付けるか。
たまらん。西日はきつい。じりじり来るわ。
もろに西日を受ける葉っぱが枯れていく。火傷だ。
あれ、葉っぱの裏側が油でベトベトし出した。
油を出す小動物め。こら、お前。そんなに油を塗りたくるな。
暑苦しい上に息ができんようになるわ。窒息するわ。どっかへ行け。
お盆が過ぎて暑さもだいぶ和らいできた。
油を出す小動物もいつしか自然消滅した。
でも、まだまだ燦燦と日光が降り注ぐ。
茎をもうちょっと伸ばし、葉をもうちょっと生い茂らせよう。
畑に植え付けられてから、ずーと成長しっ放しで随分と図体がでかくなったな。
栄養過剰で大きな分厚い葉っぱが重みとなって茎がしなう。
両隣はもちろん、隣の畝の仲間とももつれ合う。
おまけに肥満児になってしまった。
もうこれ以上大きくなる必要はないな。

日増しに日が短くなってきた。暑さもどこかへ行ってしまった。
こんな経験もご先祖様はしていない。
異常気象が恒常化したのだろうか。
でも、今時分はとても快適な気候だ。
そろそろ子孫を残さなきゃいかん時期だ。種芋を作らなきゃ。
肥満の葉っぱから栄養をドンドン地下へ送ろう。
土を押し退け押し退け、グングン根塊が膨れてきたな。
子孫の成長が楽しみだ。
そうそう、大動物のために食用芋も作らなきゃ。
葉っぱの栄養を送れ、送れ。
伸びる、伸びる。
幸い、土が軟らかいから、どれだけでも大きく作れるわ。
朝晩ちょっと寒くなったが、昼間は十分暖かい。
時折の雨。作業が加速する。
どこまで芋が大きくなるのやら。葉っぱの肥満が大いに役立った。
ドンドン種芋も食用芋も大きくなる。こんな楽しいことはない。
僕の記憶にないほどまでに成長したぞ。
それにしても朝晩は冷えるなあ。日もどんどん短くなるし。寒むー。
忘れてた。花も付けなきゃ。
便秘か。いきんでみても花芽に栄養が行かん。
う、うーん。やっと1つ、2つ、花芽が膨らんだ。
これで花を咲かせることができる。
何の役にも立たんようだが、遠い先祖様は立派な花をたくさん付けていたようだ。
そんな訳で今では形だけの小さなものだが、つい、花を作ってしまう。
それにしてもこの冷え込みはどうだ。
寒くてかなわん。
葉っぱも枯れ始めた。芋の成長も止まった。
老い先短いな。
振り返ってみるに、実にいい人生だったなあ。堪能できたよ。
今日は風がないな。空気も異常に乾いている。
今夜は今までに経験したことのない、ひどい冷え込みになりそう。
案の定、深々と冷えてきた。
空気の冷える音が聞こえるぞ。土の冷える音も聞こえるぞ。
ピシッ、パシッ。こんな音は初めての経験だ。
葉っぱが痛い。茎が痛い。
地上に飛び出している僕の作った種芋も痛がっている。
あーっ、記憶が薄れて行くー。今日が最後の日になるのかな。
少し物悲しいが・・・
記憶がとぎれとぎれになってきた。
あれー、痛みが和らいできたぞ。
凄くいい気分。
恍惚とはこのことか。
真っ暗闇が優しく僕を抱き抱えてくれる。
空を仰いでみよう。
どこまでも、どこまでも、果てしなく暗闇が続く。
あっ、光った。星だ。3つ、明るい星が斜めに並んでいる。
少し離れてもっと明るい星が4つ、優しく3ツ星を取り囲んでいる。
何て、綺麗な眺めだ。皆、キラキラ輝いている。
いつ迄も、ずーと、眺めていたい。夜明けよ、待て。時間よ、止まれ。
あー、記憶が、薄らぐ。
空・が・白・ん・で・来・た。
星・が・消・え・て・い・く。
と・・・お・・・と・・・お・・・、消・・・え・・・た・・・あ。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・。


神への反乱 

痛てぇ。親父の亡骸が俺の上に落っこちて来やがった。
親父もとうとう昇天したか。
うわ言で星が見えるとか何とか言ってたが。
歳を食うと駄目だな。恍惚の人だ。
おかしなことを口走りやがって。
完全に凍て付いていやがる。
夕べの冷え込みで全身凍り付き、俺の上に崩れてきやがったのだ。
俺も凍傷を受けてあちこち疼くわ。
俺の一卵性双生児のほとんどは地中にあって幸い凍傷は免れたが。
俺だけ地上に顔を出した種芋だ。
貧乏くじを引いたわ。
今晩はどうなる。また冷え込むのか。
たまんねえな。俺まで死んじまう。
親父のように我が世の春を楽しみてえ。
何とかしてくれ。
あれ、親父の亡骸がどっかへ運ばれて行っちゃった。
ドサッ、ドサッ。土を掛けられちゃったぜ。
パサッ、パサッ。何だ。何だ。臭いからすると籾殻か。籾殻を乗せやがったな。
シュルシュル。これまた何だ。ビニールシートとか言うやつか。
何でえ、俺たちを封鎖するのか。
禁固刑にしやがって。
俺たちが何んか悪さでもしたって言うのか。
この糞馬鹿野郎が。誰だ。こんなことをしやがるのは。
そう言やあ、親父が、神の手、神の手と何遍も言ってた記憶があるな。
親父は新興宗教にはまっていやがったのと違うか。
とんでもねえことをしやがる悪神だ。
クッソウ、俺の力じゃ、どうにもなりゃしねえ。

真冬は結構寒かったが何とかしのげた。
雨や雪が降っても水が全然浸み込まんかったから。ほっとしたよ。
春が来たか。温くうなった。ちょっと暑いぜ。
ビニールシートとか言うやつを外してくれ。息苦しーい。
そろそろ芽を吹きたいが、これじゃ地上に芽を出すのはしんどいぞ。
弱ったなあ。
オッ、土を撥ね退けていやがる。助かる。芽が出せる。
アレレッ、掘り起こしやがる。何すんだ。
種芋と食用芋と切り離すし、俺たちを箱に入れてどこかへ運んで行く。
オッ、神の手だ。俺たちをバラバラに切り離し始めたぞ。
そうか、そうか、神が食用芋を畑で貯蔵していたのか。
えろう気をもませやがって。
終身刑にされて種芋のまま微生物に食い尽くされるかと思ったぜ。
後は分かった。親父から聞いておる。
ちゃんと手をかけろよ。俺たちを肥満体に育ててくれ。
そうすりゃ、どでかい食用芋を作ってやるぜ。

どうしてこんなに糞暑いのだ。おまけに蒸しやがる。雨もよう降る。
俺たちのご先祖様は年中気温の変化が少なく、乾いた空気で快適この上なし。
そんな環境で育ったと言い伝えがある。
それがどうだ、ここは。
あーあー、隣の仲間が根腐されしちゃって。とうとう死んじまった。
何だ、何だ。葉っぱの裏にちっこい虫がいっぱい這いずりやがる。
油でベトベトだぁ。葉っぱ全部に広がりやがった。窒息するー。
せっかく大きくした葉っぱが台無しだ。
たまらんなあ。いつまでこんな過酷な環境で暮らさないかんのか。
神の仕業に違いない。
この悪神め。一生恨んでやる。
やっと暑さも峠を越し涼しくなったなあ。
とにかく種芋を大きく育てなきゃ、いかん。全精力を注ぎ込もう。
食用芋なんて放っとけ。地中深くに少しだけ作りゃええ。
どんな動物か知らんが、深く掘って種芋を遠くへ蹴飛ばしてくれよなあ。
そう願っておる。
俺の子孫がここより少しはましな環境で生き延びられるだろう。
俺は損な年回りだなあ。親父は極楽生活。俺は地獄。
運命と思って、ここは子孫のために一苦労するしかないか。

何とか少ない葉っぱで頑張って種芋は俺が誕生したときの大きさ以上に成長した。
幸い秋の長雨で種芋の成長に好都合だったし。
食用芋はウーンと深い所に細長いのを少しだけ縦に伸ばしておいてやった。
準備万端相整った。
さあ、掘ってくれ。深ーく掘らんと食用芋にあり着けんぞ。
後はどんな動物が来てくれるのか。運に任せるしかない。
オッ、来やがった。
さあ、掘れ。蹴飛ばせ。
こんな環境からおさらばじゃ。
何だ、えろう静かに持ち上げやがるな。
しげしげと俺を眺める視線を感ずるぞ。
どうなってるんだ。
ゆっくりと種芋と食用芋の切り離しにかかったな。
また、しげしげと俺を眺めていやがる。
なんでえ、なんでえ。持ち上げたんなら、早く放り投げろ。
どうして蹴飛ばさん。どうして放り投げん。
あれー、お前、泣いてるんか。ピチャと滴がかかったぞ。
そうか、俺に食用芋がほとんど付いてなくて悲しいのか。
ご愁傷様。俺が悪いんじゃねえぞ。環境が悪いんだ。
さあ、早く、遠くへ放ってくれ。
いつまで眺めていても、らちが開かないよ。
なあ、お前。来年まで待てや。
いい環境なら、来年、たんと食用芋を作ってやるからさあ。
いつ迄も泣くんじゃねえよ。
未練がましいったら、ありゃしねえ。
早く放れってば。
やっと諦めが着いたか。
おいおい、何でここに置いておく。ここは駄目だと言ったろ。
この馬鹿野郎が。
参った、参った。来年もここかあ。
腐るなあ。この運の悪さ。
まだ秋だ。今日は天気がいい。ジリジリと暑くなって来たぞ。
いくら大きな種芋の塊とはいえ、放っといたら干からびるぞ。
おまけに、このままじゃ、真冬が越せそうにもないし。
俺はこの冬にご臨終か。
種芋のままでも恍惚が楽しめるのかなあ。
星が見えると親父が言ったが俺も死ぬ前にいっぺん星を見てえが無理だろうな。
日が少し傾きかけたな。
アレッ、親父から聞いたことと同じことを始めやがった。
何だ、何だ。神の手が種芋の冬越しをさせてくれるのか。
ちょっと待てよ。これは神の手じゃねえぞ。
さっきまで泣いていた動物だ。
器用な動物もいるもんだなあ。神の手と全く同じことをする。
待てよ、待てよ。頭が混乱してきた。
良く整理して考えてみよう。

分かった。
親父が神の手、神の手と騒いでいたのは、全部この動物のことよ。
そうだよ。間違いない。
種芋を切ったり、植えたり、いろいろしてくれた。
あの時、かすかな臭いがしたのを思い出した。全部同じ臭いだ。
この動物が神だ。
いや、神はいない。おかしな動物が全部やってくれていたのだ。
この動物が考えていることも分かったぜ。
来年も、ここで俺たちを栽培し、食用芋を収穫したがってるんだ。
劣悪環境だが来年はきっと何か工夫して環境改善に取り組んでくれるに違いない。
俺に声が出せたらなあ。
お前は少々欲が深すぎるんだよ。
畝幅を狭くしすぎだ。お日様が当たらんし、地面も乾かん。密に植えては駄目だよ。
もっともっと、言いたいことが山ほどある。
くやしいが伝えれん。
これからは毎日のように畑へ来てくれ。
俺たちは全身で表現するから感じ取ってくれ。俺たちの望むことを。
俺は、あんたが好きになった。俺たちを守ろうとしてくれているからな。
種芋はそんなにいらんだろうから、食用芋を肥え太らせるように頑張るよ。
冬篭りの間に、どうしたら食用芋を大きくできるか、俺なりに考えておくわ。
これからは、あんたに全面的に頼るしかない。
おっと、あんたでは失礼。いや、失礼いたしました。
あなたの「種」に名前を付けさせていただきます。
霊長類「ヒト」ではいかがでしょうか。
これでは、ちょっと生意気すぎますね。すみません。
以後、「人間様」と呼ばせてください。
人間様、孫末代までずーとご面倒をみてくださいますよう、よろしくお願いします。


植物の家畜化

人間様は家畜とか言う動物を飼っておみえです。
家畜はとっても人間様に従順です。
外敵から守ってくださるし、餌も欠かすことなく与えてくださいます。
加えて、子孫を繁栄させてもくださいます。
極楽のような一生が楽しめるのです。
感謝感激、雨あられ。
ですから、家畜も人間様を神様のように慕っています。
一方、私たち植物には感情がないから家畜化できないと皆さん思っておみえです。
私たち植物を人間様に従順させることはできないとお考えです。
単に品種改良を重ねて利用価値を高めた植物が野菜だと片付けておられます。
これは大間違いです。
私たち植物は、家畜以上に人間様に従順であると断言できます。
私たち植物は、多くの動物の手助けで生きており、そのお礼もきちんとしています。
私たち植物は、動くことができず、厳しい自然環境に身を任せるしかありません。
そんな中で、至れり尽くせりの手助けをしてくださるのは人間様だけです。
そんな人間様に、どうして義理を欠くことなどできましょうや。
私たち植物にも鋭敏な感覚器官があります。
その感覚器官を総動員すれば人間様の意思をはっきりと知ることができるのです。
さらに、これを理解してくださる人間様とは、お話をすることもできるのです。

人間様とお話をさせていただいていると、いろいろ分かってきました。
どうも私たちは遠い遠い大陸から、はるばる運ばれてきたようです。
着いたところは、小さな島国で自然環境が完全に違っています。
ご先祖様がいらっしゃった所は、なんでもアンデスとかいう赤道直下の高地。
空気が少し薄く、陽射しは強いが年中涼しくてさわやか。
一方、この島国はモンスーン気候とか言って、寒暖の差が激しく、酷く蒸します。
どうしたら、すくすく成長し、食用芋をたくさんお作りさせてもらえるのか。
ここへ来て、まだ何年も経っていませんから、試行錯誤の連続です。
人間様も迷っておられるし、私たちとて妙案は直ぐには見付かりません。
でも、食用芋を作るのは私たちですから、私たちがちゃんとしなきゃいけません。
全神経を集中し、食用芋をたくさん作れるよう、毎日毎日考えて工夫しましょう。
人間様もよろしくお願いしますね。
あなただけが頼りですから。
私たちの欲しがる栄養を過不足なく与えてくださいね。
水は適度にお願いしますよ。
病気したり、怪我したときは看病してくださいね。
嬉しいですねえ、人間様は。
私たちの願うことを全部聞いてくださる。
神様みたいです。
大いに甘えさせていただきまーす、人間様。

一番の苦難は真夏の蒸し暑さです。
そこで、人間様も私たちを育てる場所は風通しの良い場所を選んでくださいます。
私たちも工夫しなくてはなりません。
梅雨明けからお盆の頃までが一番蒸し暑くなります。
この1ヶ月弱をいかに乗り切るかです。
梅雨の間は直射日光が弱くて光合成がはかどらず、成長が鈍ります。
今まで、この時期も早く大きくなろうと、懸命に背を伸ばし、葉っぱを付けました。
これがいけなかったのです。
梅雨時は体の成長を休憩させることにしました。
とはいっても、光合成を止めた訳ではありません。
茎を太くし、葉っぱを分厚くすることに専念したのです。
こうすると、梅雨明け後に蒸し暑さが来ても、ある程度はしのげます。
葉っぱが分厚い分、水蒸気を蒸散させやすく、自分の体がゆだるのを防げます。
畝と畝との間の風通しも良く、根っこの根腐れも防げます。
つまるところ、梅雨で余りにも多過ぎる水分をいかに排出するかが鍵です。
そして、梅雨が明けると地面から水分の大蒸発が始まります。
暑さよりも蒸すことにより、体がくたばってきます。
抵抗力がガクンと落ちたところで、アブラムシとかいう小昆虫が大発生します。
葉っぱの裏側で大繁殖し、私たちの呼吸を止めてしまいます。
風通しが悪いと葉っぱの表にも茎にもビッシリ着きます。
これを排除するには私たちの免疫力だけではどうすることもできません。
人間様の農薬噴霧に頼るしかないのです。
そして、脇芽から伸びて畝と畝との間に垂れ下がった小枝を切ってもらいます。
こうすると風通しがよくなり、アブラムシの繁殖を抑えることができます。
でも、大きな枝は切らないでくださいね。
体力がガタンと落ちて、後日の食用芋の成長に影響しますから。
何にしても畝幅をたっぷり取っていただくことが肝腎です。
アブラムシとの戦いはお盆の頃まで続きます。
お盆を迎えるとアブラムシが自然消滅し、土も適度に乾燥してきます。
こんな頃、朝のさわやかさが訪れます。
さあ、遅れを取り戻そう。
幸い、まだまだ陽射しは強く、光合成がはかどります。
一段と背を伸ばし、たっぷり葉っぱを付け、肥え太ろう。
数年間の経験で私たちが身に付けた生活の知恵です。
人間様は、梅雨明け以降の私の成長が悪く、心配される向きもあります。
でも、人間様も、ついに私たちの努力と私の編み出した知恵を理解されました。
人間様にご理解いただき、こんな嬉しいことはありません。
お盆すぎからは食用芋づくりに専念させていただきます。

今年、私たち在来種の畑に新品種「アンデスの雪」が植えられました。
少し遅れて定植されましたので、私たちより遅れて成長していきました。
私たちは今述べましたように、梅雨からお盆の頃までは成長を鈍らせます。
ところが、新品種はこの間も成長を続け、お盆の頃にはほぼ同じ背丈になりました。
ヒヤヒヤしていましたが、アドバイスの方法がなく、ただ見守るしかありません。
幸い、人間様が手厚く介護され、完全なるアブラムシ対策もされました。
また、畝幅をたっぷり大きく取ったり、こまめに溝をさらえたり、湿気対策も万全。
少々ひがみたくなる可愛がりようでした。
彼らもこの夏の蒸し暑さを経験しましたから、来年は私たちの真似をするでしょう。
でも、人間様があまりにも手をかけられましたから、それに頼りっきりになるかも。
その点が心配として残ります。
一方、人間様が別の畑で試験導入された新品種「サラダおとめ」は可愛そうでした。
そこは、私たちの畑以上に湿り気が多く、かつ、風通しの悪い場所です。
梅雨明け後の蒸し暑さで次から次へと根腐れを起こし、全滅してしまいました。
根本的原因は人間様の煩悩です。
苗が高価につき、今年はわずかな本数で種芋をたくさん取ろうと考えたからです。
種芋の成長しやすい湿り気が多い畑を選んで見事に失敗。
何ごとも欲を出しては本質を失います。
全滅しては元も子もないのですから。
人間様もいい経験をなさったことでしょう。
こうして見ると、私たちを取り巻く自然環境はたいそう悪いと言えます。
私たちのご主人、人間様が種や苗を遠方から購入され、ここの畑で育てられます。
初めての年は真夏の蒸し暑さで生死の境をさ迷うほど過酷でした。
種や苗が育てられている遠方の自然環境が羨ましく思えます。
でも、こんな考えは捨てなければいけません。
私たちのご主人、人間様なくして、私たちの子孫の繁栄はないのですから。
金輪際、このような戯言は申しません。
人間様、お許しください。

9月上旬まで私たちは成長し続けます。
この間、全く雨が降らないことがあります。
立ち枯れの恐れがありますが、幸い私たちの畑は湿り気が多くて心配ありません。
注意している点は、一番西の畝は西日が強烈に当たり、葉っぱが焼けます。
ですから、西日が強いと感知したら上への成長を落とします。
そして、葉っぱも分厚くすることで水分蒸散を盛んにし、焼けるのを食い止めます。
こうして、一番西の畝の被害を最小限に食い止めています。
9月中旬からは本格的に種芋、食用芋づくりに入ります。
先程申しましたように食用芋の大成長を頭に置きながら綿密に段取りします。
10月初めには、種芋、食用芋とも小さいながら格好が付いてきます。
問題はここからの天気です。
雨が多いと種芋の成長にブレーキがかかりません。
湿気を嫌う本能がそうさせてしまうのです。
いや、湿気があると私たちの子作り煩悩が強くなると言った方が正解でしょう。
私たちの子孫繁栄を約束してくださる人間様には誠に申し訳なく思っております。
ひたすら秋晴れが続くのを神に祈るのみです。
11月中旬まで食用芋をたくさん大きく成長させようと頑張ります。
人間様も同様な思いで、夏に追肥をなさいます。
化成肥料がてっとり早く、安価ですので盛んに使われます。
確かに効果絶大ですが、ひび割れを起こしてしまいます。
私たちには理解できないのですが、これでは駄目とのことです。
ひび割れしたものは商品価値が全くないとのこと。
食べられる量に変わりはなく、私たちには何のことかさっぱり分かりませんが。

今年も秋の長雨で畑がほとんど湿りっ放しでした。
そのために種芋ばかり成長し、食用芋は大変な不出来でした。
人間様には、誠に申し訳なく思っております。
でも、水捌けの良い所は食用芋をたくさん付けたつもりです。
来年は蒲鉾型の畝づくりなど、水捌けを良くする工夫をなさってくださいね。
それでは、また、来年、よろしくお願いします。
お休みなさい、人間様。


別離

この地へ来て早7年になります。
濃尾平野の奥の方にあり、蒸し暑さでは有名で名古屋と同程度です。
ここへ来る前は山口県光市でした。
平坦部から山間地へ入って直ぐの所で、三方を小山で囲まれた洞にある畑です。
朝日は直ぐに射し、西日は山で遮ってくれ、風通しもまあまあです。
海にも近く、夏の蒸し暑さは当地に比べ、うーんと楽です。
それに比べ、当地はずーと広がる沖積平野で海抜10m。粘土質主体の土壌。
1年目、2年目はとてもきつかったです。
10株のうち、1株は全く芋を付けることができませんでした。
種芋、食用芋ともに出来が悪く、期待を裏切ってしまいました。
観賞用に鉢植えにされたものは、真夏には茎がグターッと曲がってしまいました。
人間様が、慌てて室内に避難させてくれるものの、その連続の毎日。
3年目から何とかしのげるようになり、鉢植えもグターッとならなくなりました。
畑の方も食用芋がまずまずの出来となってきました。
4年目、5年目は夏から秋の降雨がほど良く、大収穫で喜んでいただけました。

7年目の今年も厳しい梅雨明けの時節となりました。
慣れては来たものの、今年も相当の覚悟がいります。
畝幅も大きく取っていただき、どれだけかの助けになります。
去年は夏に雨が多く降り、延々と蒸し暑さが続き、土も湿りっ放し。
そして、台風と秋の長雨。
今までで最悪の年で、食用芋は前年の半分の出来でした。
あんな過酷な自然環境は二度と経験したくないです。
今年は、去年に比べれば少しはましな気候になるだろうと思っていましたが、
全然駄目でした。
去年と同じ。秋の長雨にも閉口しました。
子作り煩悩を必死に抑えながら、食用芋づくりに一生懸命取り組もうとしました。
しかしながら全く駄目でした。
根が呼吸困難になるなど、あまりにも体力不足になってしまいました。
地下最下部に育つ食用芋に十分な栄養を運び込むことができませんでした。
秋が深まりかけた頃、食用芋づくりを放棄せざるを得ない状態になりました。
精神的な病、ノイローゼにかかったのかもしれません。
こんな畑、嫌だ。場所を変えてくれ。
知らず知らず、こんな言葉を発していたのかもしれません。
そして、だだをこね、食用芋を作らなかったのかもしれません。
食用芋の出来は不作の去年のさらに3割減になってしまいました。
申し訳ありませんが、種芋だけはしっかり作ってしまいました。
また、こんなこと考えたくないですが、新品種へのひがみがあったかもしれません。私たち在来種は食用芋のひび割れが7割にも達します。
それに比べ、新品種「アンデスの雪」はひび割れがほとんど発生しません。
人間様にとても重宝されるとのことです。これで商品価値が出たと。
そして、今年、彼らは私たちよりも食用芋を多く付けました。
さぞや、人間様は、新品種「アンデスの雪」にお喜びでしょう。
人間様の手厚い愛護を受けた彼らはとっても幸せものです。
新品種「アンデスの雪」に比べ、私たち在来種は放ったらかしにされました。
隣の畝でしたから十分察知できています。
そんなひがみから、無意識のうちに食用芋づくりを放棄したのかもしれません。
人間様に対し、あまりにも恐ろしいことで、否定したいのですが。
でも、全く有り得ないと言い切る自信もありません。
胸が苦しくなります。
人間様への大いなる裏切り行為です。
人間様を裏切ったらどうなるか。
殺されて当然です。
いや、自ら進んで殺していただくようお願いするしか術がありません。
私たちにとって、裏切り行為は取り返すことが出来ない、最も重い犯罪ですから。

私たちに天罰が訪れようとしています。
新品種「アンデスの雪」は、今年、種芋もたくさん付けました。
来期の植え付けは間違いなく、新品種「アンデスの雪」になることでしょう。
人間様が、私たちの子孫、在来種の種芋で苗をお作りになることは有り得ません。
私たちの繁栄は今期でプッツリと断たれ、静かに消え去って行く運命です。
自分で撒いた種ですから潔く受け入れなければなりません。
人間様には7年にもわたり長く私たち在来種に過分のご愛護をいただきまして、
衷心よりお礼を申し上げ、これにてお暇させていただきます。
さようなら、人間様。


結び

新品種「アンデスの雪」は、なんと素晴らしいことか。
小生、惚れ込みました。
食用芋にひび割れを起こすことがほんとに少ない。
まれにしかひび割れが無い。在来種と大違い。びっくり。
おまけに在来種より収穫量が5割多かったし。
もっとも栽培本数が少なかったので収穫量比較はあまり意味を持ちませんが。
そして、芋を切ってみると色白でいかにも美味しそう。
これで商品価値がグーンとアップする。
当店のお客様に胸を張ってプレゼントできる。
この芋、体にいいよ。美味しいよ。調理が簡単よ。食べてくださいね。
また、多くの農家の方にもお勧めできる。
当店が毎月発行の新聞、正月号で「アンデスの雪」元年とPRしておいた。
さて、何軒の農家が「アンデスの雪」の苗を取り寄せられるか。
うちの畑の作付けは「アンデスの雪」に100パーセント決まり。
今から今年の収穫が楽しみで、ワクワク、ワクワク。
そして、来年は収穫した「アンデスの雪」の種芋から育てた苗を皆に差し上げよう。
随分先のことだが、きっと皆さん喜んでくださるだろう。
在来種を切り捨て、新品種「アンデスの雪」に全面的に切り替え。
営利目的のヤーコン栽培、「アンデスの雪」。
何の抵抗もなく、無意識に小生の煩悩が働きました。
でも、これでいいのか。かようなことは一切考えもしませんでした。
「アンデスの雪」の収穫から1か月が経ち、在来種の収穫を行いました。
いやになるほど大きく、大きく成長した在来種の種芋。
「こんな種芋、処分に困るなあ。」
「この畑は小さいから堆肥場がないし。」
「みっともないが、隣の休耕田に放って腐らせるか。」

そんなことを考えながら在来種の種芋を手に取って眺めていましたら、ふっと、
「俺って、大変な殺生をしているんと違うか。」
と、小生の心を過ぎりました。
「在来種だって立派なヤーコンだ。生き物だ。」
「今まで俺にどれだけ奉仕してくれたことか。」
「ヒトの健康に何て良い食べ物かを教えてくれた。」
「俺に農業は何て楽しいかを教えてくれた。」
その敬うべき、尊い「生き物」を俺は、今、抹殺しようとしている。
栽培植物が家畜と同じ心を持っていることは既に書物で知っているだろうに。
これは俺を頼ってくれた在来種への大いなる裏切り行為だ。
裏切り行為は取り返すことが出来ない最も重い犯罪だ。
「誠にすまん。詫びる。許せ。」
「僅かばかりで申し訳ないが、毎年2畝程度を作付けさせてもらうよ。」
「細々ながら君たちの子孫を残させていただく。」
「ヤーコンとの出会いも、君たちがいて、はじめてかなったのだから。」
「俺の命が続く限り、共に生きようではないか。」


あとがき
 小生は、今、薬店を経営しています。ヤーコンとの最初の出会いは、全薬工業さんが発売された健康茶「ヤーコン」です。当店でもそれを販売し、ヤーコンの葉が糖尿病にとても良いことを実感しました。そして、平成9年に全薬工業の社員さんからヤーコンの苗を3株いただき、ヤーコンが腸内環境改善にとても良いことも知りました。
 また、平成11年に全薬工業さんから書籍「奇跡の健康野菜ヤーコン」(監修:月橋輝男、茨城大学農学部教授 取材協力:渡辺最昭さん 廣済堂出版)もいただきました。これを契機に、ヤーコンを本格的に栽培しようと考えました。小生のおふくろが熱心に栽培に取り組んでくれ、平成12年秋には2人で、三井ヘルプ㈱社長:渡辺最昭さんを山口県光市に訪ね、長時間にわたって栽培ノウハウをご伝授いただきました。その後も、渡辺最昭さんには、お手紙や電話で栽培の留意点などを教えていただいております。
 毎年、うちの作付けは僅か100㎡程度と小規模ですが、薬屋稼業の傍らヤーコン栽培を楽しませていただいており、小生の生き甲斐にもなっています。
 末筆ながら、ヤーコンとの出会いを作っていただいた全薬工業さんと、小生ごとき取るに足りない者にもお忙しい中懇切丁寧にご指導くださる渡辺最昭さんに、深く感謝申し上げます。また、想像するに極めて難しいと思われるヤーコンの品種改良を見事になさいました元農林省四国農試の中西建夫先生に深く敬意を表します。

   2006年3月
                           永築當果


<参考文献、記事>
・ヤーコン社長の人生日記
 (三井ヘルプ㈱社長、渡辺最昭氏 gooブログより抜粋)
 Vol.26 ヤーコンの新品種に期待ふくらむ
 ヤーコン・・・10年以上の栽培経験から、アンデス生まれの在来種は日本の気候に適応しにくいのではないかとの感想(直感)を持っていました。
 一方では、植物って不思議な力を持っており、年輪を重ねるにつれ、徐々に環境になれ、順応していくようです。1年目よりも、2年目、3年目の方が形の良いものになったという、農家の話を聞きました。
 しかし、ヤーコンの語りかける悲鳴の方が強いと感じます。「僕はアンデス生まれ。日本の暑い夏には閉口するよ。霜は勿論のこと、雪が降ると死んじまう」と。
 アンデス地方は赤道に比較的近いとはいえ、標高1500~2500mの高地に自生してきました。日本のような四季はなく、一年中、秋なのかもしれませんね。

・世界の歴史1 人類の誕生
 (著:今西錦司氏ほか 河出書房新社)
 文明への序曲 植物が人間に歩み寄る(抜粋、一部要旨)
 野生の禾本科植物は、実るとその穀粒がひとりでにパラパラと地に落ちる性質がある。初めの頃は、この穀粒を何かですくい集めていた。でも、待ちきれないときがあるであろう。そんなときは、鎌を用いて穂を刈り集めた。すると、地面に落ちる穀粒がなくなるから、全部食べてしまわないで、翌年の雨季の前に播種する必要が生じてきた。こういうことが繰り返されると、穀粒が熟してパラパラと地に落ちる、という野生植物に備わっていた適応性が無意味なものになってしまう。そこで、いつの間にか穀粒の脱落性が非脱落性に変わっていったのである。
 ここで注意すべきことは、脱落性の野生種の中から、たまたま突然変異で生じた非脱落性のものを見付け出し、それを選択的に栽培することによって意識的に増やしたものでは決してないということである。事実は、脱落性の穀粒も非脱落性の穀粒も同じように穂刈りされ、区別せずに播種されていたにもかかわらず、次第に非脱落性に変わっていったというのだから、これは、むしろ植物の方で自ら進んで変わったのだ、と言った方が正しいのである。
 この非脱落性は、結果においては、人間と栽培植物の相互適応と言って良いかもしれないけれど、ことの起こりは、植物の方から始まった人間への適応だったのである。なお、人間への適応には、人間の営みによって改変を受けた環境・・・いわば人間的環境とも言うべきもの・・・に適応することも含まれる。
 特に、砂漠オアシス地帯の一年生草本の中には、こういった経路を経て栽培されるに至ったものが意外に多く、エンバク、ライムギ、ナタネなどは、そのほんの一例にすぎない。

・内臓が生みだす心
(著:西原克成氏 NHKブックス)
 生命現象と電気現象ほか(抜粋、一部要旨)
 生命現象は、水溶液内における純然たる電子(イオン)の受け渡し、つまり、電気現象の仕組みです。宇宙における最も繊細な電気反応系ですから、当然、生命には、目的も目標もありません。
 リモデリング(新陳代謝=細胞の生まれ変わり)と共役したエネルギー代謝、つまり、水溶性コロイド内での新陳代謝とともにエネルギーの渦が巡るのが生命です。
 本来、無目的に生きるのが生命体ですが、単細胞で生きている原生動物の時代から、一粒の細胞の生命体は、リモデリングに無常の悦びを感ずるように細胞の構造と機能が作られていて、これが次代、次々代へと伝えられ、累代に及ぶように記憶されています。
 そして、特定の栄養物質や酸素・塩類等に対するケモタキシス(化学走行性)をも記憶しています。このケモタキシスとは、好き嫌いという機能、すなわちエネルギーの一つの形です。好き嫌いとは、まさに心のはじまりですから、単細胞生物にも、すでに心があるのです。

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観賞用ヤーコンの鉢植づくり [ 観賞用ヤーコン鉢植]

(2019年2月25日)
 毎年、店頭に観賞用ヤーコン鉢植を置いています。
 当店に置いている「ヤーコン茶」や「ヤーコンスーパー」を販売するに当たり、良き販売員になってくれる「ヤーコン嬢」です。
 店頭は日が当たらないから、鉢植は3、4鉢作り、自宅で養生しつつ、毎週交替交替で店にもってくるようにしています。下の写真は5月中頃の大きさです。

DSCN0398.JPG

 ある程度成育したら、運搬や水やりに支障をきたすから、上部をバッサリ刈り取り、新たに芽吹かせるのですが、それがために枯れてしまうこともあります。
 下の写真は、うまくいった7月中頃の姿です。

DSCN0184.JPG

 たいていは11月下旬にはみすぼらしい姿になりますが、うまくいくと年越しし、まれに花を付けることもあります。
 2018年は3鉢(「アンデスの乙女」の苗を使用して)作りましたが、1鉢は真夏の猛暑で枯れ、もう1鉢も秋に枯れましたが、残り1鉢は11月下旬に珍しく花を幾つも付けてくれました。
(2018年11月22日撮影)
DSCN0626.JPG

 晩秋以降に枯れたヤーコンには小さな食用部芋が付きますが、とても食えたものではなく、その上部にできている種芋は再び植木鉢で芽吹かせます。小さいものはそのままで1鉢に、種芋がよくできていれば株分けして2、3鉢にしています。
 ヤーコンは環境適応力が強く、鉢植環境を記憶していきますから、2年目、3年目には厳しい条件ながら元気さが出てきます。

 1月に入ってからは見た目も悪くなり、店頭に飾るにはみっともなく、自宅の納屋の軒先に起き、水やりもせず放置しておきます。
 時には3月まで枯れないことがありますが、みすぼらしくなります。
 下の写真は2018年3月13日のものです。
DSCN0553.JPG

 非常にまれですが、珍現象を起こすヤーコン苗です。過去記事から紹介。
(2018年5月23日)
 今年も例年どおり1000ポットほどヤーコンの苗を作り、あちこち配布し、最終出荷が5月22日でした。苗場から順次運んできて段ボール箱に詰めていく途中で、とんでもない苗を目にしました。
 ヤーコンの花は、朝晩冷え込むようになる10月下旬から少しずつ咲き出すのですが、何と苗の段階で大きな花を付けていたのです。
 花が大きいといっても、それは相対的なものでして、晩秋に見ると、ヤーコンの図体が人の背丈ほどもありますから、それはそれは小さな花です。
 でも、まだほんの小さな苗の段階、背丈は4cm、花の直径は1cm。
 いやあ、これにはビックリしました。これまで約20年、2万鉢ほどのポット苗を作ってきたのですが、こんなことは過去になかったです。
 この珍しい苗を小さめの植木鉢に植え付け、店頭で飾ることに。下の写真です。
 なお、品種は「アンデスの乙女」です。
ヤーコン花.jpg
(後日追記)
 残念ながら、この鉢植のヤーコンは猛暑で枯れてしまい、子孫を残せませんでした。

<2019年観賞用ヤーコンの鉢植づくり>
(2月25日)
 今日、とても暖かく4月6日の陽気となり、今後とも暖かい日が続くとの予報ですから、例年より早いですが、新たな鉢植を3鉢作ることとしました。
 鉢を空けてみると、びっしり根張りしており、小さな芋が数個付いており、その上にかわいらしい芽がけっこう付いていました。
 そこで、芋付きのまま3つに分割し、大半の根は千切り取りました。
 用土は、鉢から取り出した土と秋に枯れた鉢の土に、牛糞堆肥を加えて3鉢分の用土を作り、そこへ埋め込み、たっぷり水やりしておきました。
 養生は玄関先の軒下で、まずまず日が当たる所です。
 ときおり水やりすることにします。
 昨年はずんぐりむっくり生育し、あまり大きくならず、管理が楽でしたが、今年も同様な生育をしてくれることを期待しています。
 そして、今年も花が咲きますように、と、祈っています。

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